6月から始まる恒例のハードな仕事の準備が気になる。
朝の5時。そわそわと起き出すと、そそくさと顔を洗って仕事の段取りを考えてる。
いつもは、システムエンジニアとしてプログラム構成を常に頭に描いているが、
このシーズンは別だ。職人としての意識が沸々と意識をもたげ始める。
毎年、この季節だけは、早くに亡くなった親父の仕事を引き継いでいる。
ふと、頭によぎるのは5月の新緑をふんだんに称えた山々の景色だ。
仄かなグラデーションが醸し出す、一年で最高に美しい景色。
息を呑むような新緑の景色を愛でたくなった。
そうだ。今日は山の神様に会いに行こう。
そんなことを考えていると、すっと寝室のドアが開いて家内が起きてきた。
「ねぇ、山に行こうか。」
「えっ?」
「行こうよ。や・ま」
・・・まじか?なんでわかった?
「よ~し、5分で仕度しろよ」
などと、言いながら、永年夫婦やってると、こんなこともあるよな。
って、思いながら不思議に思ってる。
娘はスヤスヤと眠っているから、起こさないようにそっと出かけた。
車を飛ばして小一時間。山の中の大自然に差し掛かる。
途中、ウイメンズゴルフの大きな大会を横目にやり過ごして、ひたすら走っていると
目の前に突然「野うさぎ」飛び出してきた。
愛らしい表情でこちらを振り返り、慌てて草叢に消えていった。
「今の見た?」「・・・」「うさぎだよね!」
一瞬の出来事だったけど、車を止めて、なぜか空を仰いだ。
5月の休日。
束の間のさわやかな時間だった。
今年もこの時間を、生きて味わえることに感謝だ。( ̄▽ ̄)